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you side
「Aちゃん。今日は1人?」
「あ、はい……」
大学終わりアルバイト先のカフェにきた。
同じバイト仲間の阿部さん。
大介くんとも知り合いみたいで、大介くんが暇な時はバイト先まで送ってくれるのを知っているので、今日は不思議がっているようだ。
大介くんは私の大事な大事なお友達。
こんなわたしにいつもよくしてくれて、仲良くしてくれる。
いつも太陽みたいな笑顔と明るさで私のことも照らしてくれ、隅の方で光を失っていた私に手を差し伸べてくれた。
大介くんには一生感謝し続けるだろう。
何があっても手放したくないと思えるほど、私の大切な人。
阿部「あ、彼女のとこか」
「ふふ、そうです」
阿部「ニヤニヤしながら会いに行ってるあいつの顔が思い浮かぶな(笑)」
「嬉しそうでしたよ」
大介くんは彼女さんと仲良し。彼女さんとは一度だけ会釈程度の挨拶をしたことがある。
普通は彼氏の隣に女がいるなんて、嫌、なんだろうな……と。それを許してくれている彼女さんは心の広い人だ。
大介くんのためを思うと離れるべきだと、頭のどこかではわかっているのに、離れることができない。
もう、友達を知らなかったあの頃に戻りたくないと思ってしまっている。
友達の温かさや優しさに触れてしまった私は、もう昔の私に戻れないのだ。
阿部「Aちゃんさ。こんなこと何回も聞かれてきたかもしれないけどさ……」
「??はい。」
阿部「佐久間に彼女がいなくて、私が彼女だったらな、って思ったことないの?」
別に何回も聞かれた質問では、ない。そもそもこんな私に話しかける人なんていないもの。
でもそんなの私なんかが考えることすらもう…
「…おこがましいです。」
阿部「え?」
「私なんかがそんな、彼女になるなんて。そんなこと思うのおこがましいですし、大体大介くんもこんな私なんか好きじゃないし、彼女にしたいなんてちょっとも思ってないですよっ」
阿部「…友達なんだから、少なくても、好き、ではあると思うよ」
「ふふっ、ですかね?ありがとうございます」
阿部さんも優しい人、だな。
大介くんの周りには優しい人が集まるんだ。
……………本当に友達として、好き、って思ってくれてたら嬉しいな。
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作者名:ねこ | 作成日時:2024年3月28日 14時