柾哉の過去 ページ14
與那城 side
柾「よーなさん!お疲れ様。」
『お、柾哉お疲れ。お疲れって、まだ起きてんの?!』
久しぶりにみんなが寝静まった後に、1人で晩酌してると、柾哉がリビングに登場。
ふと時計を見ると、0時半を回っている。
柾哉は規則正しい生活もするし、基本的に所謂いい子。ってやつだから、なんだかんだ0時には寝ていることが多い。
柾「あ〜、うん。ちょっと見たかったドラマがあって、見てたら寝れなくなっちゃって、(笑)」
『へ〜、珍しいね?何見てたの?』
柾「えっと〜…、秘密!まぁ、そんな事より、今日はよなさん晩酌?」
『そうそう。蓮も相手してくんなくってさ〜、(笑) 柾哉相手してよ、(笑)』
本当は全く酔っ払ってなんかは無いけど、だる絡みする感じで言ってみる。
今日の柾哉はちょっと不安なことがあって眠れない時の柾哉だった。
さすがに分かる。
でも、柾哉はあんまり過去のことを話そうともしないし、そういうのを聞かれると、どうしたらいいか分からなくなっちゃう子だって言うのも分かってるから。
だからこそ、何かあったの?とは聞かないでおくのが、うちのやり方。
柾「え〜仕方ないなぁ。」
なんて言いながらも、俺の向かい側の椅子に座る。
『早く柾哉と酒飲みたいな〜』
そしたら、2人でなんかくだらない話でゲラ笑いでもするのかなぁ、なんて未来のことを想像していたら、柾哉の顔が少し曇ってしまった。
柾「…その頃俺ここもう出てってるから!(笑)」
しまった。
18を過ぎると子供たちは児童養護施設を出ていかなければいけない決まりがある。
アフターケアの施設もあるみたいだが、残念ながらここはそのような施設と連携している施設ではない。
柾「ちょっと、よなさんそんな顔しないでよ、(笑)」
『んぇ、どんな顔?(笑)』
柾「なんか、こう落ち込んだ時の顔、?みたいな。」
柾哉にはなんでもお見通し。
柾「俺、出ていくとしてもさ、ほんと、ここ来れて良かったって…心から思ってるから。」
柾哉の少し泣きそうな、でも笑顔で、どこか寂しそうな顔を見た時、柾哉がこの家に来た時の事をふと思い出した。
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作者名:ぽぽまる | 作成日時:2024年3月29日 0時