洸人の過去 ページ18
西side
「今日も行こーぜ、お前も行くっしょ?」
「ほら早くいこーよー」
『行くに決まってんだろ、行くぞー!』
「私絶対タバコはセブンスター!」
「分かるかも。」
『いーから、お前ら飯取って来いって』
「たまには洸人がいったらー?」
『俺ずっと行ってんだろ、笑』
俺の昔はゴミクズみたいな生活だった。
中学でタバコ吸いまくって、酒だって飲んでたし、とかいいつつ俺はダサいことにそんな飲めなかったんだけど。
これは母親の遺伝かなー。
そういや、母親どこにいんだろ。俺の事子育て失敗とか思ってんのかな。
柾「ひーろと、大丈夫?」
『あ?別に。』
柾「そう?蓮くんがご飯できたよって」
『いらね、』
柾「食べなきゃ元気でないよー!」
柾哉の大きめな声を背に自室へ戻る。
なんだか今日は昔のことを思い出しちゃって、食欲が湧かなかった。
俺は親に捨てられた人間。
いや、正確には俺が捨てたのかもしれない。
父親が病死してから、母親は次第に衰弱していった。
正直、めんどくさかった。
毎日、生きててごめんねとか言ってくる母親がうざかった。
めんどくさかった。
この時期、俺はいつもつるんでるヤツらと仲が悪くなって、悪いグループに入るようになっていた。
そのストレスやらで、母親に当たってしまった。
絶対言ってはいけない言葉を言ってしまった。
でも、当時は死んでくれてありがとうとしか思えないくらい、俺は腐りきっていた。
その気持ちが、変わっていって、自分で自分を責めるようになってからというもの、どんどん非行に走った。
「ほら、これ。まーじでいいから、」
『なんすかこれ〜』
「え〜、まあいいからやってみって、」
『これで?』
もういっそ死んでやりたいくらいに思っていたところに貰った、白い粉が入った袋。
「嫌なこと忘れられるから」
嫌なこと忘れられる。その言葉を聞いて、その粉に手を伸ばした。
袋を破ろうとしたところで、警察の声と、今となっては家族のような存在のよなさんの声が聞こえた。
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作者名:ぽぽまる | 作成日時:2024年3月29日 0時