紅一点×SnowMan⑩ (ページ5)

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★ ページ5

A『だから一時の感情で私を使ってもらってもいい。向こうは私の身体で欲を満たせるし、私は寂しいって感情を紛れさせることができる。それでいいの。もう人と付き合って、あんな思いしたくない。』

田『、、、それって風磨じゃだめなの？』

え？俺？突然出てきた俺の名前に困惑する。

A『風磨は、、、大切だからこそそんな風に利用したくない。それに私のことを分かってくれている風磨に頼っちゃったら、それこそもう手を離すことができないや。』

手を離したくないか、、、。
それは俺もずっと思っていること。

だけど、なんだろう。
今のポジションで安心してる自分もいる。

田『ふーん。そうか。』

A『もうね、よく分かんないよ。恋愛とか。』

田『まあ、またそのうち分かるって。』

それからはたわいもない話をしている。

そしてベランダから2人去っていった。
俺はまだ出る気になれず、ベランダにもたれかかる。

田『聞いてたろ？』

樹がたばこに火をつけながら、ベランダにやってくる。

「バレた？」

田『んー。多分姉御は気づいてないよ。俺がこっちの部屋側にいたから。なんとなく気配がしてさ。』

「なるほどね。」

それからお互いしばらく何も話さない時間が生まれる。

『てかさ、永瀬の話、、、。』

「んー。あれね。」

『まだ好きだよね？姉御のこと。』

「なんかさ、分かんないんだよ。好きなことには変わりないけど、付き合うとかってことはもうイメージできないんだよね。それに今の距離感が結構心地よい。」

『あー。なるほどね。』

「けどさ、永瀬だけじゃねーよ。」

俺がそう言ったら、樹が大きい目をさらに見開いている。

『まじ？』

「まじまじ。緊急事態宣言の前にAの家に行ったのね。その時、洗面台の裏に男物の洗面道具あったもん。」

『えー。誰だ。北斗はもう切れてるはずだから、、、。まじ分かんねー。』

「これ翔太が知ったらめっちゃ落ち込むだろうな。」

そう俺が言うと樹が爆笑してる。

『あーね。』

「ね？想像つくっしょ。」

『つくつく。にしても誰だ。』

「意外な人物だったりしてな。」

分かってるようで分からないことだらけの
Aのプライベートの考察をしていたら
結構な時間になってしまった。

『寝るか。』

「だな。おやすみ。」

いろんなことを考えていたら寝付けなかったけど、
それでも疲れていたのかいつの間にか眠っていた。