××エンド、××ルート (ページ16)

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出口は近い。

わんちゃん佐久間の声が馬鹿デカい説もあるけどきっと、遠くない場所にはあるはず。

ここさえ乗り切ればきっと。

「⋯⋯⋯⋯そう。まぁ今はそれでもいいよ。
さて。出口までエスコートさせてよ。せめてものお詫びとしてね」

『え、いい』

「そんな事言わないで。少しでもAと一緒にいたいんだ」

あの翔太もそうだけど、なんでこんなにむず痒い言葉ばかり使うのだろう。

付き合いたてのカップルだってそんな事言わないだろう。

「あ、前歩いてね。あいにく俺には出口の場所までは分からないからさ」

『⋯⋯⋯⋯急に走ってきたら怒るからね』

距離を空けて廊下を進む。

佐久間の声だけが頼りだった。

後ろを着いて歩く彼に注意を向けながら、声を追って廊下を進んでいく。

⋯⋯

⋯⋯

赤色の非常口。

大切なメンバーと同じ顔をした彼らは、私を現実の世界に帰らせたくないんだ。

無理矢理にでもこの変な世界に繋ぎ止めようとしている。

『⋯⋯』

それがどうしてかは、分からないけれど。